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ウサギの尿について

  • 2010年01月09日(土)06時58分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

ウサギは一日に体重1kg当たり130mlの尿を排泄します。新鮮な水を好む動物ですので、飲水ボトルの水は一日に数回交換して下さい。腎臓は沢山の水を飲んで、薄い尿を作っている方が、臓器としては楽な仕事をしている事になります。色は茶色から黄色まで、飲水量で濃淡があります。余り濃いときは少し粘稠な尿も排泄します。尿ののpHは発酵動物特有の強いアルカリ性(pH8〜9)を示します。また尿中には炭酸カルシウムやシュウ酸カルシウムが大量に排泄されて、膀胱にあるうちから析出し、レントゲン写真状で膀胱は白く写る事がありますが、病的な膀胱結石とは区別されます。沢山の水を飲めばすぐに溶解して、白い影は消えます。排泄後尿中の結晶成分はすぐに析出して硬い結晶となって床に付着します。その為に足裏に傷を付けてしまいがちです。常に清潔にし、また床は乾燥させておくようにしましょう。
ファイル 196-1.jpg
●血尿と紛らわしい症状について
1飼料中のカロテンが多い餌を食べたり、ニンジンを沢山食べたウサギの尿は時に鮮紅色を呈します。これを血尿と勘違いする方がおられますが、味付けに使うお酢を1滴この尿の上に落として酸性化しますとたちまち赤い色は消えます。血液で赤いときは変化は無く、赤いままです。
2ウサギは子宮の腫瘍性疾患が好発する動物です。血尿と勘違いする赤い血性のオリモノを排泄します。出血性膀胱炎による血尿なのか、子宮腫瘍による血性のオリモノなのかを慎重に判定する必要があります。赤いものを排泄するときは直ちにそのものを確保して動物と共に診察を受けて下さい。

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ウサギの足底皮膚炎について

  • 2008年10月18日(土)10時50分
  • by 中津動物病院 院長

ファイル 125-1.jpgファイル 125-2.jpgファイル 125-3.jpgファイル 125-4.jpg

ウサギは後足に体重の殆どをかけて生活しています。床が尿や下痢便等で不潔で濡れていますと、足裏に容易に皮膚炎を起こします。当初は足裏の全面覆われていた被毛が抜け落ち、皮膚面が露出して炎症の為に赤くなります。さらに不潔な状態で飼育され続けるとやがて細菌感染を起こした皮膚は欠損し、その下の腱や骨まで露出します(写真1,2)。ここまで進行すると激しい痛みの為に前かがみになって、少しでも後足に体重をかけないように生活します。そうすると前足にも足底皮膚炎が起こります(写真)。露出した骨はやがて感染を起こして骨髄炎となり、治癒が困難な状態にまで至ります。こうした足底皮膚炎は太り過ぎのウサギに好発します。治療は出来るだけ速く発見して、清潔で、乾燥した床面とし、適正な体重になるまでゆっくりと食事制限します。骨髄炎まで進行したウサギでは安楽死も考慮される病気です。しかし数年前に画期的な治療法が発見されました。中津動物病院グループの一つである浅香山動物病院の動物看護士がたまたまミルク缶をウサギのケージに置き忘れたところ、安楽死も考慮されかねないほどの重度な足底皮膚炎を持つウサギが、この缶の上におなかを乗せて足裏を休めていることに気がつきました。そして足裏の皮膚の状態が徐々に改善して、すっかり元の健康な足裏に戻りました。
これをヒントにして写真4の様にティッシュペーパーの箱の上にお腹を乗せることを繰り返し教えると、痛みが無くなることが判って、自分から乗っているようになります。安定するようにベニア板の上に角材を打ち付けて作るとなお良いでしょう。この看護士の名前は中村と申します。この行動療法は来日した北米のエキゾチック専門獣医師も感心しておりまして、早速自分のクリニックでも実施してみると、喜んでいました。看護士のアイデアで安楽死される動物が完治できる可能性のある病気に変わったのですから、すごい業績です。もちろん清潔な床を提供し続けることが大前提になります。

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ウサギの腹腔内に発生した巨大腫瘤

  • 2008年10月15日(水)10時51分
  • by 中津動物病院 院長

5才のウサギが2ヶ月前から腹囲が次第に大きくなり、あまり餌を食べなくなって来たとのことで他病院から紹介された。レントゲン写真の単純撮影では巨大な球形の腫瘤(9×10cm)は確認できるが、胃との相関関係が不明である。そこでバリウム10mlを飲ませて撮影したところ、胃の位置が確認され、腫瘤とは関連がないことが判明した(写真1)。
ファイル 122-1.jpeg
超音波像は濃厚な液体を示していた(写真2)。
ファイル 122-2.jpeg
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赤色尿

  • 2008年09月07日(日)16時27分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

うさぎは時々赤い色の尿をすることがある。特に心配の要らない時と、早急に治療の必要な場合とがある。ともかくその尿をスポイトなどで採取し動物病院で検査を受けることが一番である.尿の量はできれば、試験管1本やく12~14mlあれば十分だがほんの数滴でも検査できる。

病的でない赤色尿はポルフィリン尿で、これはおそらく植物に由来するものでうさぎの健康を害するものではない。
病的な赤色尿は血尿または決色素尿で血尿の場合は生殖系、腎臓、膀胱、尿結石、腫瘍などが考えられる。

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ノゼマ症

  • 2008年09月07日(日)16時25分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

 ノゼマ症はうさぎでは、脳炎を起こす一般的な疾病で、エンセファリトゾーン原虫によって起こる。伝播は原虫の胞子が尿中に排泄され、尿から口への経路で、母親ウサギから子ウサギへと感染する。

この微生物は腸から体内に取り込まれ、他の器官に広がる。特に腎臓と脳組織に行きやすく、胞子は接種後1ヶ月で、腎臓に現れ、3ヶ月後に尿中に排泄される。胞子は体外で1ヶ月以上生存する。

症状は一般に慢性的である。腎臓に障害を示す臨床症状ははあまりみられず,中枢神経に対する症状としては、斜頚、旋回運動、起立不能、等が起こる。

2002年7月の日本小動物獣医学会での発表で,ある種薬物(ベンズイミダゾール系薬物)の早期の投与および治療により、症状が改善されることが確かめられている。薬物の投与期間は2ヶ月必要である。

感染の拡大あるいは防止には吸水ビンを使用し、更に餌を地面に置かないようにして、尿による餌と水の汚染を防ぐことが大切である。

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ウサギにおける臼歯の磨耗異常その整形時の看護法-2

  • 2008年09月06日(土)09時33分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

○血管確保に必要な器具
ファイル 110-1.jpg
25G留置針、インジョクションプラグ
絆創膏、ヘパリン注射液
○全身麻酔に必要な器具
ファイル 110-2.jpg
ドミトール注射液
アンチセダン注射液
マイクロシリンジ

○過長臼歯の切削に必要な器具
ファイル 110-3.jpg
リドカインスプレー
ウサギ用開口器
ウサギ用開唇器
舌圧子
ロンジュール骨鉗子

麻酔時の管理項目
心拍数=心電図
呼吸数=目視
CRT,舌と耳の色
血液検査項目
CBC
電解質
TP
GOT,GPT,ALP,T-Bil
BUN,CRE

○術後管理
ファイル 110-4.jpg
覚醒後ケージに収容
水、従来の餌を与える。
ペリアクチン、プリンペランの投与
翌朝の管理
糞の数が50個を越えているか。
食欲があるか
排尿があるか

退院時の注意
1飼い主に投薬方法を説明する。
2もし薬物が与えられないときは必ず連絡するように伝える。
3ウサギの食欲はその後快復したか、
排糞はたくさんしているかを毎日注意して観察してもらう。
4食欲が回復しないときは再度来院するように伝える。

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ウサギにおける臼歯の磨耗異常その整形時の看護法-1

  • 2008年09月06日(土)09時28分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

○ウサギの臼歯の咬合状態
ファイル 109-1.jpg
下顎が狭く、上顎が広い
咬合面が頬側に低く、
舌側に高い傾斜状態である。

○常生歯型:
ファイル 109-2.jpg
歯根は長く、根尖は常に開放している。
ウサギの臼歯は生涯を通じて伸び続ける。
常に磨耗し続ける必要がある。

○食事管理
ファイル 109-3.jpg
固形飼料・野菜では過長になりやすい
乾燥した牧草を多給して予防
チモシー、アルファルファ

○臼歯の伸びすぎによる症状
ファイル 109-4.jpg
食欲不振、廃絶
流涎、口内に泡沫の唾液
下顎の流涎による湿疹・脱毛

○診断に必要な器具
ファイル 109-5.jpg
バスタオル(保定用)
耳鏡、舌圧子、綿棒
リドカインスプレー
移動手術灯
ビジテンランプ
採血用注射筒
ヘパリンチューブ

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うさぎの毛玉

  • 2008年09月06日(土)09時22分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

 うさぎは吐くということが出来ません。胃の構造上噴門括約筋が大変強く、一端胃に入った物は、逆流できません。うさぎは毛繕いをねことおなじように頻繁に行いますが、ほとんどは飲み込んでいます。たいていは、腸に流れていって、便と一緒につながって出てくるのがふつうです。しかし、非常に毛繕いをしたり、ストレスによる脱毛、毛代わりの季節などに、飲み込んだ毛が胃の中で固まってしまうという現象が起きます。食事の関係で、繊維質が少ないものを食べている場合にも起こります。基本的に食べたものより毛の方が多いほど毛玉になる可能性が多いといえます。

いったん毛玉になれば、たいてい腸の太さよりも大きくなりますので、胃から出ていかないか、腸に詰まってしまうことが考えられます。胃内で大きくなって停滞した場合は食欲不振、体重減少、があり初めのうちは元気がよく活発に見えますが、だんだん元気がなくなり、便の量が少なくなって、最後には便をしなくなります。だいたい一ヶ月ぐらいの間で栄養失調になって死亡します。

ファイル 108-1.jpg
食欲不振で物を食べていないのに、レントゲンで胃内に異物があれば異常です。これは胃内に300ml位の胃液がたまって胃の出口で毛球が詰まってました。

幽門部や腸に詰まったときは、食べ物が流れていれば、軽度の症状ですみますが、完全に閉塞すると、急に元気、食欲がなくなり、胃内や腸内にガスの発生、脱水、ショック、盲腸や大腸の異常が発生して、急死することもあります。

診断には触診で胃内に毛球が確認できる場合もありますが、たいていはX線写真にて確認できます。食事をしていないのに胃内に内容物があれば異常です。それでも診断が付かない場合はバリュウム検査を行います。胃の通過時間や、バリュウムが付いた毛玉が胃内に長時間停滞しているのが観察できるはずです。

ファイル 108-2.jpg
毛自体は細くて柔らかいですが、胃酸では消化出来ないために、一度に大量に飲み込むと絡まってしまいます。写真のような直径2~3cmほどの毛玉でも腸では詰まってしまいますので、致命的になります。

予防には毛繕いで毛を飲み込ませないことが大切です。抜け毛の季節などは、よくブラッシングをして、抜け毛をとってあげましょう。猫用の毛球除去のペースト(ラキサトーン、ペトロモルト)も効果があります。パイナップルの果汁は毛を溶かす酵素が多く含まれているので、毎日少しずつ飲ませると効果があります。

治療には腸の蠕動運動亢進剤と食欲増進剤と流動パラフィンにて毛玉を腸の方に流すようにします。内科的に効果がない場合は外科手術により胃切開で取り出します。

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うさぎとパスツレラ

  • 2008年09月06日(土)09時18分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

 パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)はうさぎにとって、一番感染しやすい細菌です。
 呼吸器感染、敗血症、皮下膿瘍の病気を引き起こしますが、必ずしも、この細菌に感染したら発症するわけではありません。体力や免疫力の低下、妊娠、栄養不良、老化、他の疾患、急激な温度変化、不潔な環境が考えられます。

 うさぎが鼻水を垂らしたり、くしゃみをしたり、咳をしたり、呼吸が苦しそうだったり、呼吸時に変な音がする、などの症状を見たら、まず呼吸器疾患を疑うべきでしょう。これはどれか1つの症状のみが出ることもありますし、同時に複数生じることもあります。また、目やにや結膜炎などの眼の問題が併発していることもあります。この呼吸器疾患で最も多いのはパスツレラなどの細菌感染によって起こる感染症で、放置しておくと鼻炎から、気管支炎、肺炎と胸の奥深くへと進行していき、命に関わることも珍しくありません。
 呼吸するときの音から「スナッフル」とよばれ、同じケージに同居ウサギが住んでいると、飛び散った鼻水などから感染し、瞬く間に広がってしまうこともあります。
 治療としてたいていの抗生剤に感受性があり、よく効きます。しかし長い時間をかけてようやく完治したかと思っても、根本の原因を取り除かない限り、また何らかのストレスなり、栄養不良なりで再発することも珍しくありません。完治を目指すというより、うまく細菌とつきあうことを考えるべきかもしれません。
 言ってしまえばウサギの風邪かもしれませんが、ウサギの風邪はかなりしつこく時には生命に関わる重病なのです。

 皮下膿瘍は皮膚に細菌が繁殖して膿がたまった物です。皮膚の一部分がはれて中に水がたまったようにぶよぶよしています。出来る場所は、下あご、目の下、足に多いです。針を刺して膿を出してみると、黄色から白色のチーズ状膿が見られます。下あごや目の下は歯が原因の場合がたいていで、歯並びの悪化により、歯の根っこに細菌感染を起こした場合に起きます。足の裏などは、小さな傷から感染します。
 治療は切開して膿を取り除き、消毒して、抗生剤を与えます。一時的にはよくなりますが、根本的な原因を対処しないといくらでも再発します。これもスナッフルと同じように上手につきあっていく事がとが必要です。

予防
  パスツレラ病を予防するには、もし何匹かのうさぎを飼っていたならば、症状のでているウサギと、健康なうさぎは別々にして、食器や食べ物を分けることが必要です。病気のうさぎを触ったときは手をきれいに洗って、膿汁がついたと思われる衣服は脱いだほうがよい。病気のうさぎが妊娠した時は、帝王切開で子供を取り出し、パスツレラに汚染されていないウサギとして、育成するのも1つの方法である。飼っているうさぎが感染していて抗生物質を投与していなくても、早期に離乳すれば、パスツレラに汚染されていない離乳子が得られる。また手に入れたばかりのうさぎが感染していれば抗生物質による治療をします。感染を治すのは、若いウサギで、感染が慢性になる前がチャンスです。殺菌剤で周辺を消毒する場合、次亜塩素酸ナトリウムやクロルヘキシジンが有効であるが、アルコールは不適です。

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うさぎと骨折

  • 2008年09月06日(土)09時14分
  • by 夕陽丘 院長 兼 管理者

   うさぎの骨は簡単に骨折します。俊敏な動きを維持するために、骨が非常に軽く出来ているのですが、そのために強い衝撃を受けるとあっさり折れてしまいます。

だっこしていて落下したときにも折れますし、びっくりしてパニックに陥り、ケージの金網に足が挟まったり、あるいはケージを蹴り上げた衝撃などで勝手に折れてしまうこともあります。
一度、骨折すると直るのに非常に時間がかかります。イヌ、ネコの倍の時間はかかると言われています。それは骨折して逃げることの出来ないうさぎは直るまでに生きていけないので、体が直そうとしないと思います。

骨折する場所は太股の骨(大腿骨)、すねの骨(頸骨)、背骨(脊椎)です。後ろ足の力が強いために起こります。足の骨の場合、骨の中に金属の棒(ピンニング)やプレートで固定をして外側から固定をして、動かないようにケージに入れておきます(ケージレスト)。1ヶ月から2ヶ月ぐらいかかると思ってください。
脊椎骨折
 これは骨折の痛みなどが原因で歩き方がおかしくなるのではなく、背骨の中を通る脊髄(神経)がダメージを受け、下半身麻痺になり、ひどいときには尿や便まで自力でするのが困難になることがあります。骨折部位によっては下半身麻痺だけでなく、前足も不自由になることすらあります。

うさぎの骨折は注意深い日常の管理によって予防する事が出来ます。うさぎを故意に投げたり、高いところから落としたり、無理矢理押さえつけたりしてはならないことを十分に心がけることです。

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