記事一覧

ウサギとはこんな動物 5:消化器管の特徴

● ウサギは大きな盲腸を持つ動物で、ここには沢山の微生物(細菌や原虫類)を保持して、植物の繊維質(セルロース)を有用な栄養源のであるブドウ糖に発酵分解してもらって生命を維持している特徴があります。また盲腸内で増殖した細菌や原虫はその体内に蛋白質を豊富に持っています。これを菌体蛋白と言います。またこれらの微生物は発酵過程で各種ビタミンも生成します。ウサギはこうして増殖した微生物(菌体蛋白)とビタミン類を盲腸便として夜間に、意識して排泄して直ちに食べます。ウサギの糞便には直腸便とこの盲腸便と呼ばれる2種類があって、直腸便は盲腸に入って発酵を受けるには長過ぎる繊維や太すぎる繊維から成っていて、見慣れている丸い糞便として主に昼間に排泄されます。一方、盲腸便はもう少し大きくて、ドロッとした形の一定しない糞便です。大部分はすぐに食べて小腸で栄養を吸収します。イヌやネコでは自分の排泄した糞便を食べる時は鉄の欠乏症と言われていまして、餌の中の鉄が不足しているか、鉄の消化管からの吸収がうまく行かない時に発症します。しかしウサギでは生理的な現象で、病気ではありません。稀にケージの片隅に食べ残している事もあります。
● ウサギは盲腸の働きによって生命を維持している動物である事が判っていただいたと思いますが、盲腸機能を維持する為にはその餌は牧草の様な繊維質(セルロース)を沢山与える必要があります。バナナやイモの様なでんぷん質は主に小腸で消化される為に、盲腸内には余り取り込まれません。こうしたデンプン質を沢山与えますと、体重が増えすぎて過肥に陥ります。また繊維質が不足しますと腸壁への刺激が少なく、盲腸がうまく働かなくなります。やがて蛋白質やビタミンの不足になり、健康を維持してゆく上で支障が出ます。従ってウサギの主食は牧草と言えます。市販の牧草には豆科のアルファルファとイネ科のチモシーがあります。前者は蛋白質が多く含まれますので、生後1年までの成長期の主食に適しています。それ以降はチモシーが良いでしょう。他の発酵動物としてはウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ等があります。こうした発酵に依存して生活している点を強調しますと、ウサギは小さなウシとも言えます。